🔵会長交代のご挨拶
一般社団法人日本アルゼンチンタンゴ連盟は、2026年6月21日開催の総会において正会員の承認決議を経て、特別顧問に飯塚久夫氏、会長に棚田晃吉氏がそれぞれ就任いたしました。
ご挨拶
飯塚久夫
この度、会長を退任することになりました。
思えば、2013年頃のことです。私が日本タンゴ・アカデミー会長という理由でか、当時の駐日アルゼンチン大使から『日本のタンゴ界が大変な事になる。
在日アルゼンチン人タンゴ・ダンス教師が困ってしまうので、何とかならないか?』との協力依頼がありました。風俗営業法の規制強化の事でした。奇しくも国内では、当時あったダンス教師たちのNAPTAという団体も改革を考えていました。
この度、新会長に就任した棚田晃吉氏や前事務局長のジョルジュ高橋氏らの動きであり、それにも呼応する形で規制当局の警察庁との熾烈な交渉が始まりました。
何十回も警察庁に通いましたが、最後の極めつきは、タンゴ・ダンス選手権アジア大会を警察庁幹部らに見学してもらった時の言葉です――『アルゼンチンタンゴ・ダンスは芸術ですね!』。
結果的には、アルゼンチンタンゴ・ダンスは風営法規制の原則対象外となりました。その代わり日本として講習(試験)機関の設立が必須となりました。
そして2014年、FJTAの設立となったのです。それから12年、FJTAはタンゴ文化の高揚を本義とし、立派な資格付与システムを作り上げ、タンゴ関係者の育成にも貢献して来ました。
一方、世界を含め、アルゼンチンタンゴは種々の変貌を遂げています。
しかし、FJTA設立の理念――『国内/外を問わずアルゼンチンタンゴの普及と発展を心から願うタンゴ・ダンス教師、イベントオーガナイザー、有識者、愛好家、そしてアルゼンチンタンゴを愛する人が力を合わせる組織』であることは、不変・普遍です。
この価値は簡単に出来るものではありませんが、FJTA役員を始め、関係者の努力の賜物です。しかし、これを壊すのは意外と簡単です。時代的にもその危機はいつでも訪れます。
個人的余談になりますが、私のように学生時代からアルゼンチンタンゴを聴き、社交ダンスを習った者からすると、日本の社交ダンスがいかに“音楽”を大切にしていないかを痛感してきました。
そのきらいが日本の初期のアルゼンチンタンゴ・ダンスにもありましたが、現在では殆どなくなりました。
幸いなことに、FJTAは当初から「音楽講習会」も実施して来ました。
今後は、私自身は“特別顧問”ということで、本場と比べ日本の弱点であるアルゼンチンタンゴ・ダンスの重要な要素である音楽性(musicalidadミュージカリティ)向上のお手伝いをして参ります。
皆さまのこれまでのご厚誼に深く御礼申し上げるとともに、今後は棚田新会長のもと、時代変化への柔軟な適応を考えながら、皆さまの引き続くご協力も頂いて、FJTAのさらなる成長・発展を期待したいと思います。
新会長 棚田晃吉
— タンゴを、次のステージへ —
このたび、一般社団法人日本アルゼンチンタンゴ連盟(FJTA)の代表理事(会長)に就任いたしました、棚田晃吉です。
まず初めに、FJTA の立ち上げ以来、長年にわたり団体を支え、日本のアルゼン チンタンゴの発展に尽力されてきた飯塚久夫前会長に、心より敬意と感謝を申し上げます。
その歩みがあったからこそ、今の FJTA があります。
そして、これまで日本のタンゴを支えてくださった先生方、イベントを運営され ている皆さま、そして日々タンゴを楽しんでいる愛好家の皆さまにも、心より感謝申し上げます。
その歩みを大切に受け継ぎながら、新しい時代にふさわしい FJTA の姿を、皆さ まとともに築いていきたいと考えています。
一方で、ここ数年、業界の中にいて強く感じていることがあります。
それは、 「それぞれが頑張っているけれど、全体としての力になりきれていな い」 という現状です。
個人やスタジオ単位では素晴らしい活動がたくさんある一方で、 業界としての方 向性や、社会に対する発信は、まだ十分とは言えません。
だからこそFJTAは、 単なる団体ではなく、 タンゴを社会にひらいていくため の“軸”になる存在でありたいと考えています。
■ FJTAが目指すもの
FJTAはこれまで、風営法の問題をはじめとする様々な課題に向き合いながら、 タンゴが健全な文化活動として社会に認識されるための基盤づくりを進めてきま した。
そしてこれからは、
タンゴダンスが社会にしっかりと認められる活動となること を一つの軸に据え、
・タンゴを「安心して学べるもの」にすること
・教える側・運営する側の質を高めること
・初めての人が入りやすい環境を整えること
を、より具体的に進めていきます。
■ これから取り組んでいくこと
今後、FJTAとして取り組んでいく主な活動は以下の通りです。
・ 日本初となる日本のための「FJTA Japan Cup」の開催 → 日本としての基 準と目標をつくり、次の世代へ繋げる
・インストラクターおよびオーガナイザーの技術・指導力向上
→ 資格制度と連 動し、教える質・運営の質を高めていく
・「FJTA日本タンゴ大賞」の継続開催
→ アルゼンチン大使館との連携のも と、文化的価値の可視化を進める
・ ミロンガやイベントの質の向上
→ 安心して楽しめる場づくりの共有
・若い世代や新規層へのアプローチ
→ タンゴに出会う“きっかけ”を増やす
・ 海外(特にアルゼンチン)とのつながりの強化 → 本場との距離を縮める どれも特別なことではありません。 ただ、これらを業界全体として継続的に取り組むことに意味があると考えています。
■ 業界の皆さまへ
FJTAは、誰かを評価したり、縛るための団体ではありません。
むしろ、 それぞれが持っている活動や価値を、 「より伝わる形にするための 場」だと考えています。 個人でできることには、どうしても限界があります。 でも、少しずつでも連携していくことで、 タンゴ全体の見え方は大きく変わっていきます。
■ 最後に
タンゴは、ただのダンスではなく、 音楽・文化・人との関係性が重なり合った、 とても豊かな世界です。この魅力を、次の世代にどう繋げていくか。
そして、まだタンゴを知らない人たちにどう届けていくか。 そのための一歩を、FJTAとしてしっかり踏み出していきたいと思っています。
ぜひ、これからの取り組みを見ていただき、
興味を持っていただけた方は、関わ っていただけたら嬉しいです。
今後とも、どうぞよろしくお願いいたします。
一般社団法人 日本アルゼンチンタンゴ連盟(FJTA)
代表理事(会長) 棚田晃吉